ちいちゃんの昔話

15年前書いたこと

15年前、ちいちゃんは日記にこんな文章を書いていた。
 
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時速4キロで知った優しさ  
   「ひまわり」1999年10月第62号より  
    現代社会は、乗り物、流行、しゃべり口調、気がつけば全てが速い。高齢になったり、障害を持つ者には少しばかり暮らしにくい。
 私は障害者で車イスで歩く。雨に濡れようが、気持ちがあせっていようが、最高時速4キロである。今ではこのスピードの生活にも慣れてきた。このスピードと車イスの目線だから、路傍の花も見逃さず、立ち止まり、小さな草花を見つけては愛おしく思う。
 障害者になって周りの流れの速さが分かり、歩道の段差への戸惑い、痛み、怒りを覚えることが出来た。
 ロボット犬やしゃべる縫いぐるみが高額で売り出されているのを知り、びっくりする。そんなもので人を癒やすって?時代が作り出した機械で人間の心を癒やすことが出来るのであれば、人はいなくてもよいのでは…。
 現代の社会のスピードから外れ、立ち止まって考えてみれば、ゆっくりの方が優しさを注ぎやすく、優しさも取り戻せるのではないだろうか。
 はじき出されて見えてきた世間のスピード。自分の必要なスピード。
 
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最近、ロボットが進み助かる分大いにある。
 
でもね、違うような気がする。
 
 
 
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小柴 千鶴

えがお株式会社代表取締役、NPO法人夢ハウス理事長。 27歳のとき進行性筋ジストロフィー発症との診断を受ける。 さまざまな困難を乗り越えながら「ITであれば障害者でも仕事ができる」と思いたち「小規模作業所夢ハウス」をスタート。

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