ちいちゃんの昔話

選択

 
私は歩くことも手も動かすこともできなく、さまざまなことに制約がでてくる。
 
その中で、さまざまな場面で選択しながら乗り越える。
 
昨日、3カ月ぶりに散髪をしていただいた。
 
この段取りをするのに、えらく手こずった。
 
なぜならば、仕事後、仕事前、週末と選択する日時に制約がある。
 
そのために、3か月も費やしてしまった。
 
2日ほど前に、シフトを眺めてて、散髪屋さんの休店日である月曜日にお願いしようと、ヘルパーさんに依頼する。
 
来てくださった美容師さん、初対面にもかかわらず、気持ちよく自然体で話をすることができ、ホッとする。
 
 
 
思い起こせば、動けなくなったころ、わずかばかしの力で、市販のスキカルを購入し、右手にスキカル、左手は髪の毛、地肌に当てて、触覚を研ぎ澄まし、4,5年ほど自分で散髪をした。
 
出かけれないことから、自分で選んだ苦肉の選択。
 
それでも、やはり専門の人にしてもらいたいという気持ちがわいてき、必死に探してご近所の散髪屋さんに、自宅まで出張散髪をしていただく。
 
十数年していただいた。これも自分の選択。
 
しかし、引越しをしたため、以前の理髪の方にはお願いできなくなり、また、探し始めた。
 
新しい出張美容を見つけた時は、ホッとした。
 
だが、この出張美容は、間もなくお断りすることとなった。
 
それは、ある日の散髪での出来事がきっかけである。
 
首に巻かれたタオルは薄汚れ湿っており、使い回しのような感じがした。巻かれた瞬間、耐えられなく「やめて!」と叫びたかった。
 
その時は、息をのむほど苦しい時間であった。
 
散髪あきらめ数カ月、いてもたってもおれず、また自宅まで出張してくださる散髪屋さんを探す・・・。
 
これって、選択肢が少ない。少し疑問に思えた。
 
なんか変だなぁ。もっと選びたいよなぁ。
 
気持ちよくさっぱりする散髪ができないものかと、いろいろな思いが頭の中を駆け巡る。
 
当たり前を取り戻したい、という一つの思いでもあるのかな。
 
さあ、昨日はすっきりさっぱり散髪終えて、明日は赤く染めようかな。来年いい年したいな。
 
 
 
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小柴 千鶴

えがお株式会社代表取締役、NPO法人夢ハウス理事長。 27歳のとき進行性筋ジストロフィー発症との診断を受ける。 さまざまな困難を乗り越えながら「ITであれば障害者でも仕事ができる」と思いたち「小規模作業所夢ハウス」をスタート。

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