ちいちゃんの昔話

私からの意思伝達

 
毎日色々の方々とお会いする。
 
その中で聞いたり、見たり、体験したりしている内に、自分と相手の方との接し方が、障害が無い時と、障害を抱えてからとでは、まったく違っている事に気がついてきた。
 
現在は一つ一つ説明を付け加えて話す癖がついてきた。その事は良い事でもあり、反対に相手に嫌われる面もあります。
 
それと言うのも、そこまで言わなくても分かっているわ、子供ではないのだからと思われているような事もあります。
 
しかし、意志を使えるのに、私の意志が伝わっているか、相手にどのように伝わっているのか、会話を密にしないと分かりません。
 
このくらいの事は相手に分かってもらえるだろうと思ってしまうと、大きな間違いで、とんでもない事が起きてしまいます。
 
 
簡単な例で、ゴミを捨てる為に「ベランダに出しておいてください」とお願いすると、相手の方はゴミをベランダに持って行きます。私はベランダのゴミ箱に入れてほしいのですが、正確に言わないために、ゴミはゴミ箱の横に置いてある事があります。
 
でもそれも正直な人なのですし、間違いないのですから、正確に細かく説明すれば嫌われ、気分を壊すことになりかねません。
 
私が皆さん一人ひとりに合わせて話すと良いのですが、大勢の人が出入りされます。
 
言い分けると言うより、初から1~10まで正確に気持ちも正直に説明するように話した方が失敗が少ないです。
 
物を小さい、大きい、多い、少しと言っても、その言葉は抽象的です。どれと比べて小さいのか、大きいか。
 
味が濃い薄いと言っても、個人各々の味覚で言っているわけで、少しずつ違うのです。
 
私が食べる物で、私の味覚に合わしたいわけですから、私は初めに相手の方に「貴方は味は濃い口ですか」と聞いておきます。返事が薄いと言われても、それは貴方の味覚ですから、まず、その方の味付けで作って頂きます。
 
次に私が食べてみるのですが、濃い場合は修正が出来ませんので、次回より「貴方の味付けより、ずっと薄口で煮てください」とお願いします。
 
相手の方が「私は薄口です」と言われても、食べてみると味が濃い場合があるのです。薄口は手直しが出来るのですが、濃いからといって水を入れれば良いというものではありません。失敗は諦めて食べるしかないですね。
 
前回と同じ方が食事を作ってくださるとは言えませんので、毎回失敗していたのでは、我が家、私の味覚はさだまらない。
 
その為にも、自分の意志を相手に分かって頂ける話をする事の重要さを知りました。
 
私の事、自分の事なのですね。
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小柴 千鶴

えがお株式会社代表取締役、NPO法人夢ハウス理事長。 27歳のとき進行性筋ジストロフィー発症との診断を受ける。 さまざまな困難を乗り越えながら「ITであれば障害者でも仕事ができる」と思いたち「小規模作業所夢ハウス」をスタート。

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