ちいちゃんの昔話

小規模作業所「夢***」の仲間

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2002年 掲載

身体障害者小規模作業所「夢***」の仲間

身体障害者・小規模作業所「夢***」を四月に開所。
障害を持つ会員がITを活用して作業所、在宅で仕事に結びつけていこうと手さぐりでスタート。

ここに作業所に通う29歳の好青年をご紹介。
彼は脳性小児麻痺一級。以前、姫路で9年間仕事についていたが、この景気の悪い状況の中、
徐々に仕事を与えられなく、会社に居づらくなってきて、昨年、鳥取へ帰って来られた。

早速、ハローワーク、障害者職業センターと通い、仕事に就くためにIT の講習を受けても、受け入れてくる会社も見つからず、自宅に待機状態であった。

障害者職業センターに呼びかけ、紹介されたのが彼であった。 

私は「ITだから仕事がある、すぐお金に繋がるわけではないので・・・」と、
あるがままの現状と厳しさを伝えた。

 彼は「夢***」に通ってくるものの、気持ちの上で行き詰った頃、
彼は別の通所施設を下見に出かける旨を申し出た。私は彼に去られる事は残念であるが、見学に行くことを快諾し送り出した。

翌日、彼に「どうだった・・・」と聞くと、彼は「施設でも仕事は少ないようです」と、少し落胆した様子で話してくれた。

私は「そらそうでしょうよ、この経済の悪い中、どこも一緒、それで、あなたはどのように思ったの・・・」と聞くと、彼が私に返した言葉は、「さして大きく代わりがないのであれば、僕は夢***の方が元気だと感じます。

夢***にかけてみようと思います」ときっぱりと言った。
そのことばを言っているときの彼は、いつものにこやかな顔になっていた。

彼は作業所に毎日通い、講演会のテープおこしの仕事を少しずつこなし、今では30分間の商品を仕上げる事ができるようになった。

作業所のほかの仲間に負けたくなくて、仕事を少しでも多くした事を報告してくる。
そうすると、側で仲間が聞いていて、「僕は、昼前には終わっていました」とすかさず切り返してくる。

仲間同士で火花を散らし、腕を磨き、競い合って、できることを私にアピールをしてくる。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

今は彼達はいないが、新しい女性の仲間が四人通ってきて仕事に精を出している。

このような環境を作り出せてよかった。
後継者を育成をしければならない。

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小柴 千鶴

えがお株式会社代表取締役、NPO法人夢ハウス理事長。 27歳のとき進行性筋ジストロフィー発症との診断を受ける。 さまざまな困難を乗り越えながら「ITであれば障害者でも仕事ができる」と思いたち「小規模作業所夢ハウス」をスタート。

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