私はたまに車椅子で一人、街をかっ歩する。
介助者が一緒だと不自由なく外出ができるが、あえて一人で出かけるのは、困ったときに知らない人に一声かけて、頼むことへの勇気を身につけるためだ。
そのことで、自分自身に自信がつくからだ。
車いすに乗っている身だからこそ分かることがある。
それは、みなさんがすばらしい笑顔で助けてくださることだ。
助けを求めることは体の不自由な者の特権かもしれない。
以前の私がそうであったように、元気であればいろいろ戸惑い、躊躇してしまうからだ。
今は、車椅子の目線だから知りえる様々な感動もある。
だから、手や足が動かせなくても心を自由にして、私はこれからも、一人で街に出かけていく。