ちいちゃんの昔話

心許無いなぁ!!!!

                 蛾!

「退治して!」とちいちゃん。

「え~~、・・・・・」

大きな蛾が部屋に入り飛び回った後に窓にとまる。

21歳のヘルパーさん、いやいやゴム手袋をはめて、ちし紙一枚を持って窓際に近づく、

逃げてよ。

もっと右、右・・・

そっち、ほら・・・

ちり紙をふりふりしながら、

網戸を右に、左に移動させながら、ぶつぶつと、真剣に繰り返しいっている。

見てて、思わず????、

蛾に日本語がわかるのかなぁ???

思わず笑ってしまった。

「虫に日本語がわかるの?」

「・・・・・・・」

逃げてよ。

もっと左、右・・・

そっち、そっち、そっち・・・

真剣そのもので話しかけている。

窓に止まり、右に左に逃げ惑っている虫のほうが怖いであろうに・・・。

その光景を見ながら、思い出していた。

二週間前の責任者が虫を怖がって、にげ腰で格闘していた姿を。

三人の子供のお父さん。

心許無いなぁ!!!!

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小柴 千鶴

えがお株式会社代表取締役、NPO法人夢ハウス理事長。 27歳のとき進行性筋ジストロフィー発症との診断を受ける。 さまざまな困難を乗り越えながら「ITであれば障害者でも仕事ができる」と思いたち「小規模作業所夢ハウス」をスタート。

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