さみしいことば
施工屋さんの最後の支払いをする。
彼とは28年ほど前に知り合う。
この度、彼のおかげで事務所の移転ができ、いろいろのお世話になる。
「マア、なんかあれば連絡をせぇよ」一言。
「ありがとう。もうひと踏ん張りする」
支払いも終わり、彼はタバコをすいながら世間話をし始めた。
「わしは、後五年もしたら引退せねば・・・」
「いいおにいちゃんが跡取りにいてよいがぁ」という。
「後は、本人の努力だ」
・・・・・・
・・・・・・
ポツリ、ポツリ話しているうちに、
彼は「子供には老後は見てもらわないつもりだ・・・」
又、聞いてしまった。そのことば。
なんでや、「子供には老後は見てもらわないつもりだ・・・」このことばに疑問を感じる。
悲しくなり、「なぜ?」ときくが、
想像できることばが返ってきて悲しくなり、
話がそこから進まなかった。
聞きたくないことばを久しぶりに聞いてしまった。
悲しかった。