ちいちゃんの昔話

又、聞いてしまった。そのことば

さみしいことば

施工屋さんの最後の支払いをする。

彼とは28年ほど前に知り合う。

この度、彼のおかげで事務所の移転ができ、いろいろのお世話になる。

「マア、なんかあれば連絡をせぇよ」一言。

「ありがとう。もうひと踏ん張りする」

支払いも終わり、彼はタバコをすいながら世間話をし始めた。

「わしは、後五年もしたら引退せねば・・・」

「いいおにいちゃんが跡取りにいてよいがぁ」という。

「後は、本人の努力だ」

・・・・・・

・・・・・・

ポツリ、ポツリ話しているうちに、

彼は「子供には老後は見てもらわないつもりだ・・・」

又、聞いてしまった。そのことば。

なんでや、「子供には老後は見てもらわないつもりだ・・・」このことばに疑問を感じる。

悲しくなり、「なぜ?」ときくが、

想像できることばが返ってきて悲しくなり、

話がそこから進まなかった。

聞きたくないことばを久しぶりに聞いてしまった。

悲しかった。

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小柴 千鶴

えがお株式会社代表取締役、NPO法人夢ハウス理事長。 27歳のとき進行性筋ジストロフィー発症との診断を受ける。 さまざまな困難を乗り越えながら「ITであれば障害者でも仕事ができる」と思いたち「小規模作業所夢ハウス」をスタート。

  1. 介護とは

  2. お正月の準備

  3. 最大限の努力

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