あなたの
えがおもなく
あなたのこえすらも
おもいだされない
夢であったか
幻なのか
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
十年ほど前、知人が電話をかけてきた。
どうしたのかと問えば、「亡くなった主人の声が思い出せないの・・・」と、泣いている。
「・・・・・」慰めのことばをかけたのであろうが、たいして慰めにならなかったのであろう。
あれから十年、彼女と同じ立場にある。
やはり、私も同じ気持が・・・・。
「・・・・・」どのような声だったのか?
遺影はむかしのままで微笑んでいるが。
「・・・・・」声を思い出せない。