ちいちゃんの昔話

あの時すでに・・・・・

介護の人がタオルを絞っているの姿・・・・思い出した。

あの時すでに・・・・・

ちいちゃんが十代の後半ころ、

いつも母とお風呂に入り、

風呂上がりのとき、ちいちゃんのタオルを母は手にして、

「しっかり絞りなさい」と、幾度となく言う。

拭き掃除のぞうきんを絞ると、母のしぼりと違い、

ちいちゃんの絞りが弱かったのか?、「しっかりしぼって」と言われていた。

確かその当時、自分で絞っているのに???と思っていた。

虚弱なちいちゃんを母は注意をしていたのであろう。

ふっと思い起こせば、すでに子供のころに病気が出ていたように思えた。

極端に手の握力がなく、鉄棒、跳び箱ができない子供であった。

二十歳すぎには

友達と歩くと四,五歩歩くと友達と並んで歩いていたものが、

少しちいちゃんが遅れ、あわてて小走りではないが追いかけ、

なんでかなぁ・・・・

そんな時、人と歩幅合わせて歩くのがしんどかった。

今は歩くとに関して車椅子に乗ることも、乗っていんことも抵抗はない。

ここに心が収まるまでのうん十年間、

母はこれを見越して育てたわけではないであろうが。

やはり、母に感謝、

おっとりといつまでも待てる部分、父に感謝。

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小柴 千鶴

えがお株式会社代表取締役、NPO法人夢ハウス理事長。 27歳のとき進行性筋ジストロフィー発症との診断を受ける。 さまざまな困難を乗り越えながら「ITであれば障害者でも仕事ができる」と思いたち「小規模作業所夢ハウス」をスタート。

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