ちいちゃんの昔話

笑い

日に日に寒さも増し、どんよりした空模様。
 
 
30年にもなろうか。
 
閉ざされた日々を過ごす中、テレビと新聞を見るだけ。
 
あまりにも胸を押しつけられるような重い空気。
 
解放されない中での状況の日々が続く。
 
自己否定この生活は自分ではない。
 
今の生活は何か変。
 
どうしてや、と叫びたい日々続く。
 
 
人は我慢や諦めも限界があり、心の中では言葉では表せない葛藤。
 
 
テレビでは日頃は見ないお笑い番組にもかかわらず、
 
くだらない、と思える番組に思わず笑った。
 
 
笑ったことに気づき、自分の心に解放された瞬間が見えた。
 
笑いを忘れて静寂、そんないいものではないが会話も少ない生活の中に笑い声が心の中にも残った。
 
それからは、その番組を好んで見るようになっていた。
 
人は失ったものを探し求めようと、それを続けようとするものだと分かった。
 
 
それはトンネルの真っ暗な中にかすかな明かりが見えているのと同じような現象に思える。
 
笑えば心の重さも軽くなり、回転も明るい方へと変えていったように思う。
 
 
 
 
歌を忘れたカナリアではないが、笑いを忘れた人間にならないように。
 
笑いを集められる人間になりたい。
 
 
少し頑張ってみよう。
 
 
  • 記事を書いたライター
  • ライターの新着記事
小柴 千鶴

えがお株式会社代表取締役、NPO法人夢ハウス理事長。 27歳のとき進行性筋ジストロフィー発症との診断を受ける。 さまざまな困難を乗り越えながら「ITであれば障害者でも仕事ができる」と思いたち「小規模作業所夢ハウス」をスタート。

  1. 介護とは

  2. お正月の準備

  3. 最大限の努力

RECOMMEND

ARCHIVE

RELATED

PAGE TOP